世界の潮流 定年制廃止と「生涯現役」

「定年は自分で決める」・・・
世界では、定年制の廃止が
始まっている。

2010年、イギリスが定年制を廃止しました。
世界ではアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドがすでに廃止しています。
一方、社会保障給付の開始年齢は各国で引き上げられるなど、
いよいよ『生涯現役』という働き方を積極的に考える時が来ています。

何歳まで働くか、それは自分で決める。

アメリカ、ニュージーランド、オーストラリアに続き、2010年、イギリスが定年制を廃止しました。その理由はいくつかありますが、たとえばアメリカやイギリスは「就労意欲や能力があるのに、高齢者から働く機会を奪うのは年齢差別だ」として、警察官や消防士など一定の職種を除いて、定年制を設けることを禁止しています。

定年制のある国も、もちろん多いが…。

一方で、それ以外の先進国にはおおむね定年制があり、ドイツやオランダ、デンマーク、フィンランド、スイスなどは公的老齢年金の支給開始年齢に合わせて定年としている国が多いようです。そして、公的年金が充実している国で定年が延びることには反発もあるようですが、徐々に延長される傾向も否めません。

これに対して、アジアなどは経済成長に伴うベテランの労働力不足が深刻で、定年延長が進む国もあります。たとえばシンガポールは62歳、台湾は65歳で、マレーシアも2013年に定年年齢を60歳に引き上げています。また、中国は男性が60歳、女性は50歳(幹部は55歳)でしたが、2015年に「2022年までに定年を延長する」方針を打ち出しています。このように、社会保障など背景の違いはあれ、各国とも定年は延長されて生涯現役へと進んでいく傾向にあるようです。

さて、日本はどうなのか、どうなっていくのか?

現在、日本の企業の約8割が60歳定年制(厚労省『平成29年就労条件総合調査』)ですが、内閣府の調査では、高齢でも働く意欲のある方の増加がうかがえます(『平成29年版高齢社会白書』)。それによると、仕事をしている60歳以上の約57%が「75~80歳まで働きたい」あるいは「働けるうちはいつまでも働きたい」と回答しています。これに「65~70歳まで働きたい」という回答も含めれば、なんと高齢者の9割以上が定年後も働きたいと考えていることがわかります。

何歳くらいまで働きたいか?/現在就労している60歳以上の男女に質問

60歳以上の方に問うたところ、70歳以降まで働くことを希望している高齢者は8割にのぼる。

出典:内閣府「平成26年高齢者の日常生活に関する意識調査」

一方、企業側も少子化による労働力不足もあって、「定年後も働きたい」という高齢者を積極的に雇用していますし、「65 歳以上」を定年年齢としている企業も17.8%(前年は 16.1%)と微増傾向にあります。また、法律(高年齢者雇用安定法)でも、2025年度までには希望する従業員全員の雇用を65歳までとし、定年退職制度の廃止や定年年齢の引き上げ、再雇用制度のいずれかの実施を義務づけるとしています。そして、政府は2018年11月、未来投資会議などの合同会議で、70歳までの就業機会の確保を円滑に進めるための法整備を段階的に進めることなどを盛り込んだ「新たな成長戦略」の中間報告を取りまとめました。つまり、今後は70歳までの継続雇用の政策が実現されていくことになります。

終戦直後、男性の寿命は50歳、女性が54歳でした。

1947年時点の日本人の平均寿命は男性が50歳・女性が54歳だったのです。この頃の民間企業の定年は55歳が一般的で、平均寿命が50歳ですから、むしろ定年制はかなり長かったと言えます。そして、2017年には男性81歳、女性87歳と、世界で最長寿国家となりました。また、老人福祉法が制定された1953年当時の100歳以上のお年寄りは153人でしたが、2018年9月現在、6万9785人と発表されています。まさに、『人生100歳時代』の到来です。平均退職年齢の63歳で退職したとして、残された40年もの時間をどう過ごすのか。いよいよ人の生き方が問われ、多様なライフスタイルが注目され始めています。

男女別の寿命

男女とも死亡年齢の最頻値は平均寿命よりも高い年齢になっており、寿命は長くなっている。

出典:厚生労働省「平成29年簡易生命表の概況」

高齢者の体力・運動能力の推移

高齢者の体力・運動能力はこの10年強で約5歳若返っている。

出典:文部科学省2015年

その100歳までの充実した人生のためには、健康寿命と職業寿命がポイントです。健康や家庭の事情などと調整しながら、さまざまな働き方にトライされている方も珍しくなくなりました。せっかくの長生き、健康であれば働きましょう。若い頃と同じようにではなくとも働き続けることは、経済的にも、社会的に孤立しないためにも効果がありそうです。
うぇるねすの現会長・下田は現在75歳(2019年)、創業以来、『生涯現役』を掲げて進んで参りました。そして、「人は働かないとダメになる。」という呼びかけのもと、合意いただいた多くの皆さんがマンションサポーターとして集まってくださっています。私たちうぇるねすは、このキャッチをテーマに、これからもシニアの皆さんと一緒に進んでいこうと思います。