うぇるねす対談
女性にもっとチャンスを

「人生って、そもそも生きてる限り、
楽しく働くものよ。」

定年過ぎたら『残りの人生』という男性。定年ないし、やることあるし、ずっと現役かなという女性。
まず、シニアとしての生き方に、違いがありました。
だったら、どっちにしても健康で楽しく、ともに元気に生きる…
そのために、働こうじゃありませんか。加えて、それが人のためになっていたら、なおいい。
それを、マンション丸ごと元気にする仕事で、実感しましょう。

株式会社うぇるねす 代表取締役会長 下田 雅美 株式会社コミュニティセンター 代表取締役社長 菅 利恵 様

『生涯現役』ということについて、男性・女性、思いはどう違うのか?

菅さん:こんな風に思うんですね。男性の働き方って、仕事に直結するじゃないですか。それに、一定程度お金を稼げないと仕事じゃない。でも、女性ってもうちょっといろんな分野があってね。つまり、旦那さんを送り出して主婦をやってきたから、範囲がすごく広いと思うんですよ。だから、気持ちの持ちようでね。私も、70ぐらいで辞めたら一膳飯屋とか子供食堂みたいな、儲けなくてもいいからなんか世間と繋がっていたいと思いますね。だから、ずっと現役なんじゃないかなって気もします。

下田さん:それ、いいですね。男女で、そんな違いがあるのかもね。そんな話で思うのは、男って仕事っていうと仕事仕事って思ってやらないと仕事じゃないみたいなね。女性は、何やっていたって仕事だっていう、縛られてないよね。『生涯現役』なんていう言い方も、男の人にはよく受けるけど、女性はそういうこと言わないものね。

菅さん:言わないですね。生きている限りある意味、現役だと思う。だって、女性でやることなくてボケるってあまり聞かない。例えば、お家のこととかなんかやっているでしょ。いろいろ積極的に、動いている。ぼーっとテレビ見ているとか、ないですし。孫の面倒、見たりだとか。むしろ引きこもりで、ボーっとして具合悪くなるのって男性の方でしょ。

下田さん:多いと思う。老人病院みたいなところ行ってもね、もうだいたい男ばっかりですよ。

問題は日本の男性ですよ。仕事しかしてこなかったから。

菅さん:私の父は都の管理職で、56歳定年でした。当時もう、ほんとに暇を持て余していた。現役時代はすごい忙しくてゴルフも楽しみにしてたんだけど、自分が定年になっちゃうと、かつての部下は遊んでくれない。お金払うから、ゴルフ場の草取りでも使ってくれないかしらって、母も困ってた。でも、プライド高くてね、ゲートボールなんかやらない。で、毎日、テレビ見たり、新聞読んだり、雑誌見たりしてるだけ。やっぱりこのエネルギーをどっかで活用できないかなって。

下田さん:友達がいなかったんだね。組織を外れると、男は必ずそうなるよね。で、そんなお父さんを見て、ひらめいた。

菅さん:はい。やっぱり、シニアの人たちに本当に必要なのは、仕事だと思ったんですよ。その頃ですね。昔、勤めていた自治体の福祉の仕事を辞めて、ひょんなことからこの事業を引き継いだんです。で、この管理員の代行って、シニアの人たちに一番いい仕事だと思った。何しろ、共同住宅だと赤ちゃんからお年寄りまで住んでらっしゃるでしょ。そんな生活の場に入るんだから、管理員って人生経験豊かじゃないとできない。おまけに、体力的にはきつくないし適度な運動にもなるし、好きな時間に働ける。だから、あなたの余暇を活用して社会や人とつながって、生きがいと健康と収入をゲットしましょうとね。

下田さん:何しろ、皆さんね、動きが取れなくなっているからね。自分の趣味で10万もするカメラのレンズを買うと、年金なのにって奥さんに怒られる。陶芸もいろいろ作っても売れるわけないし、これ以上食器作らないでくれって女房が言う。

菅さん:そういう悩みを持った方たちが、うちに惹かれて応募してきたんです。当時、管理員って男性の仕事っていう世間的なイメージがあった。今は、違いますけれどもね。やっぱり、私は父をはじめ困ってる男性をイメージして始めたと思うんですね。それ、とくに、日本の男性だと思うんです。だって、仕事しかしてきませんでしたからね。

前職の10%が元社長と元役員で、皆さん、切り替えがちゃんとできてる。

下田さん:そうだね。今、働き方改革で、そんな人たちが逆に家に帰らなくなってる。早く帰ると、家の用事手伝わされるし、子供の愚痴聞かされたり、いいことないって。そういう『帰宅難民』って、まさに、日本の伝統的サラリーマンの残党でね。そして、仕事だけになっていく。で、会社の定年ぐらいになるとだいぶ役職がついているから、偉そうになっちゃうんだよね。すべてね、定年制なるものがあることが問題の核心なんだよ。

菅さん:だから、うちの仕事に応募されて、「私は大企業で総務部長をやってましたから」って言われて、すごく困ったことがある。正直申し上げて、プライドを捨てられないとこういうお仕事は務まりません。管理人としてのプロを目指していただかないと、うちは無理ですってお話はさせていただきました。ですから、その辺はみなさん切り替えが必要ですよと。

下田さん:そうすると、お帰りくださいっていうのかな?でも、うちのマンションサポーターさんの中にも、よく見ると、前職の5%が役員。あと社長さんも5%いるよね。

菅さん:そうです。うちにも一部上場会社の社長なさった方もいらっしゃいますけど、切り替えができるかどうかですね。その方は70歳で退任されたんだけれど、奥様は趣味が高じて講師で招かれるようになってお忙しい。なので、広いおうちに1人になってしまった、一人ぽつねんと…。で、自分はどうしようかと思っている時に、うちの広告が目に入って電話されてきたんです。「こういう仕事の経験は何もないですけれども、私にもできますでしょうか?」って丁寧に聞かれて。やる気と健康であればできますって言ったら、来られた。でも、もう切り替えがちゃんとできていて、やっぱり、そもそもそういう方なんですね。

下田さん:そう。『プロフェッショナル』ということだね。そもそもプロ意識がある人っていうのは、切り替えができる人ってことでしょう。やっぱり、そういう人は人間として優秀なんだと思うな。頭もいいし、心も柔軟だし。だから、1年も2年も考えてない。ふと考えて、一週間ぐらいでパシッと切り替える。もう人生100歳時代、あなたは何回切り替えられますか?って感じだよね。

自分の経験を生かしてイキイキと、居住者に褒められて嬉しくて。

菅さん:私も、全然知らない業界入って、うちのスタッフにいろいろ教わりましたね。一番最初、私、時給ですごく悩んでて、なんとか20円上げたいって、何ともならなくてね。そんな時、あるスタッフさんに言われた。「俺たちの現役時代の時給、いくらだと思う?それよりも、仕事があって、人にありがとうと言われて、それが嬉しくてやっているんだから、そんなつまらないことに気を使うんじゃない」って、スパンとね。目を覚まされた感じがした。自分を必要とする場所があって、一生懸命やって。で、居住者の方に、「田舎から送ってきたみかんなんですけど、食べてください」とか。自分のやった結果の評価だと思うと、何よりも一番嬉しいって。そういうスタッフの方は、もう人としてご立派ですよね。

下田さん:そう。そういう人が集まってこの仕事やるからね。自立して、自分たちで考えて決めて実行するっていうのが、うちの運営指針なんだけどね。そうやっていくと、違うのよ。みんなで良くしようってなるし、何より、そっちの方がみんなの気持ちが乗ってくるのね。だから、自分が入っているマンションをよく見て、ちゃんと自分でデータ整理してね。こっちのマンション80件入りましたとか、作業スケジュールになってたりする。全部パソコン使って、へえってこっちもびっくりしちゃう。

菅さん:一級電気技師の資格を持ってらっしゃる方がいて、400戸の大型マンション相手に全部回ってね。電気関係のチェックで巡回する管理員さんたちに、何をどう見なければいけないか作業マニュアル作って置いてきたっていうんですよ。みなさんね、自分の経験をフルに生かして、いろんなことをなさっているんですよ。ほんとうに楽しんでいる。

下田さん:楽しめるって、レベルの高い証だよね。だから心の持ち様でね。与えられた仕事の中でも、いかに上手く回すかっていう創意工夫している人は、どこ行っても生きるからね。

女性をもっと生かしたい。もっともっと参加してほしい。

下田さん:ところで、女性をね、この業界にもっと引っ張りたいんですよ。日本に一番多いのは平均50戸ぐらいのマンションだから、それはだいたい1人でね、清掃も管理員もやっているところが圧倒的に多いでしょ。そこを、女性にもっとたくさん担当してほしい。マンションが明るくなるし、きっと良くなると思う。すごく向いていると思うんです。でも、応募者に女性が少なくてね。うちに来ている人は、いや、男性の仕事かと思いましたって言うんです。

菅さん:そうなんです。実際のところ、清掃員の女性はすごい多いじゃないですか。清掃はね、けっこう女性、細かいところに目が行くので、そこは得意な人が多いと思います。だけど管理員っていうと、ちょっと違うイメージがあるみたいでね。あと、女性は家事とかあって、生活パターンを守りたい人が多いから、1週間のスケジュールとかで決まった仕事を毎日繰り返しというのが就きやすいんですね。だから、代行業務も、女性向けには、固定の物件とか優先するのもありでしょうね。

下田さん:難しいセキュリティとかも今はなくなっているし、設備は別の部隊が巡回してやっていくような仕組みも考えられるよね。なので、それもあって、うちもようやく女性が全スタッフの25%まで増えてるんですよ。ずっとここ2、3年、採用してきたしね。

菅さん:それで口コミで女性は増えていきますよね。うちもね、是非、女性は半数にしたいんです。あとね、制服を何とかしたい。やっぱりファッション性ってね、大事ですからね。

下田さん:最近、女性が5人ぐらいで有志のチーム、『勿忘草チーム』ってのを作ってね。自分たちにもやらせて欲しいっていう人たちがいて、その最初の仕事が、女性が喜ぶユニフォーム選びなんですよ。もういろいろ案が出ていますよね。以前から何人にも言われていたんで、ユニフォームを見てかっこいいから管理員やりたいっていう風にしたいね。

ピンピンコロリは、1日1万歩で健康に。ボケてる暇を作らないこと。

菅さん:うちで共同研究していた都立大の星先生が言ってましてね。「NNK…ねんねんコロリが多くて、寝たきりになる。それが嫌で、PPK…ピンピンコロリを目指すんだったら、死ぬまで働け」ってね。そのあと、その考え方を引き継いで外部に健康チェックを委託しているんです。で、筋力とかいろいろ測ってもらってるんですけど、やっぱり働いていると、皆さん元気でね。

下田さん:認知症関係は? ボケとかも測るの?

菅さん:それは、今度、入れようと思ってます。少なくとも体を動かしていることが、元気につながることは確かでね。こんな代表選手がうちにいて、社内報『コミニティセンターだより』の第1号で取材した方で、76歳。毎日、7階建て100世帯ぐらいの割と大きいマンションをお1人で担当なさっていて、毎日、往復含めて平均1万4000歩ほど歩く。土日は2000歩だから、「この1万4000歩って言うのが、僕の元気の秘訣です」ってね。それに毎日、居住者とのやりとりもあってボケてる暇がない。

下田さん:自分が必要とされて、現場に行って、動いている。ボケてる暇がない。ボケるっていうのは、ボケている暇があるからだって。いい言葉があるね。要職についていた人だって、辞めた途端、急に老けこんだり。しゃべり方もね。

菅さん:現役の時はギラギラしていたじゃないですか。緊張感がなくなっちゃって。仕事がなくなると一気に衰えますよね。

下田さん:去年、求人広告で、「人間、働かなければダメになる」って出したら、けっこう反応が来た。みんな分かってるね。